中部弁護士会連合会

中弁連からのお知らせ

よりよき法科大学院の実現に向けての決議

司法制度改革審議会は、平成13年6月12日、法曹養成に特化した教育を行うプロフェッショナル・スクールとして法科大学院を設置すべきことを提言し、教育理念として理論的教育と実務的教育を架橋する教育をなすべきこと、設置にあたっては、公平性、開放性、多様性、全国適正配置の原則によるべきことを明らかにした。

これを受けて、現在、全国の70数校の大学で、平成16年4月開校に向けた法科大学院設置の準備が進められており、中部地方においても、愛知県内の複数の大学、石川県内の一つの大学において同様の準備が進められている。

それぞれの地方において法科大学院が設置されることは、地元もしくは地元に近い所で法曹養成に特化したプロフェッショナル教育を受けることを容易にし、法曹として育つことに有形無形の利便を与える。そして、そこで学んだ法曹が数多く地元もしくは地元に近い所に定着することにより、法的サービスが広く提供され、司法過疎地域にも法による権利・利益の保障がゆきわたることになり、ひいては、「法の支配」をあまねく実現することにつながる。それ故、我々は、中部地方、とくに石川県において法科大学院が設置されることは必要不可欠であると考え、その設置に協力し支援していく決意である。

法科大学院においては、「法の支配」の直接の担い手としての法曹、「国民の社会生活上の医師」としての法曹の養成が目的とされ、教育理念として、法曹の−基本的人権の擁護と社会正義の実現という−使命と法曹の倫理に立脚した、理論と実務を架橋する教育がなされ、かつ、批判的・創造的な思考力が形成されることとされている。法科大学院においては、その構想の原点と基本理念に立った充実した教育がなされなければならないのであり、従来の法学部教育の延長であってはならず、また、(新)司法試験に合格するための教育であってはならない。それ故、我々は、これらの設置される法科大学院における法曹養成に特化したプロフェッショナル教育の内容が充実され、21世紀の司法を支えるにふさわしい質・量とも豊かな法曹を育てる教育が実現されるように協力し支援していく決意である。

よって、我々、中部弁護士会連合会は、法科大学院設置を準備している大学当局に対して、よりよき法科大学院の実現に向けて一層の努力をされるよう求め、政府(とくに文部科学省)に対して、中部地方において準備が進められている法科大学院が設置基準を充たす限り設置認可されるよう、そのための予算措置を含む所要の措置が講じられるよう求め、それとともに、我々自身が、よりよき法科大学院の実現に向けて積極的に協力・支援していく決意であることをここに明確にするものである。


 以上、決議する。 



2002(平成14)年10月18日
中部弁護士会連合会



提案理由





戻る




Copyright 2007 CHUBU Federation of Bar Associations