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裁判所が選任した清算人の「住所」登記問題に関する要望書

要 請 書

令和8年1月30日

法務大臣      平 口   洋  殿
名古屋法務局長   土 手 敏 行  殿
岐阜地方法務局長  渡 邉 英 介  殿
津地方法務局長   加 藤 和 孝  殿
福井地方法務局長  小 杉 悦 子  殿
富山地方法務局長  栗 原 久 典  殿
金沢地方法務局長  今 井 唯 市  殿

中部弁護士会連合会
理事長 菊  賢 一


要 請 の 趣 旨

会社法478条2項ないし4項等の規定により裁判所が選任した専門職の清算人の登記に関し、同法928条3項に基づき、同条1項2号及び同条2項1号の清算人の「住所」として登記すべきものについては、清算人選任決定書に記載された事務所所在地をもってその住所として取り扱うことを求めるとともに、当該清算人が印鑑を提出する場合において添付すべき印鑑証明書については、裁判所書記官の作成する印鑑証明書をもって添付すべき印鑑証明書と取り扱うか、かかる取扱いを実施するために商業登記規則9条5項等の法令の改正を要する場合には、当該法令につき、所要の改正をされるよう法務省民事局に上申されることを求める。


要 請 の 理 由

1 会社の破産管財人等を裁判所が選任する場合、法令上は「破産管財人の氏名又は名称及び住所」を登記する(破産管財人の場合につき、破産法257条2項)こととされているが、その登記は裁判所書記官の嘱託によることとされ(破産法257条1項)、登記嘱託手続に必要な添付書類は、破産手続開始決定謄本(破産規則78条1項下欄イ)とされており、実務上、破産手続開始決定書には、破産管財人の住所として事務所所在地が記載されていることから、登記においても破産管財人等の事務所所在地が住所として登記されている。

2 他方、会社法478条2項ないし4項等の規定により裁判所が選任した清算人については、裁判所書記官がその登記手続を嘱託する規定は存せず、選任された清算人自ら就任登記申請を行うことを要する(会社法928条3項)が、その際に実務上印鑑の提出も同時に行われるところ、印鑑の提出のための添付書面が市町村長作成の証明書に限られている(商業登記規則9条5項1号)ため、清算人選任決定謄本に清算人の事務所が記載されていても、登記所によっては、その事務所所在地が、印鑑証明書に記載された住所と異なることから、事務所所在地を住所として登記することを拒まれることが多い。

3 しかしながら、専門職の清算人は、個人の立場として清算人の職務を遂行しているのではなく、その専門職の立場で行動しているのであり、その点においては破産管財人等と異なるところは無い。

4 会社関係者や会社債権者等の利害関係人にとっても、事務所住所地による清算人登記がされることで、通知や架電によるアクセスが容易になり、権利の失効や手続の脱漏の予防に資することとなる。従前の運用においては、滞納処分等を実施する処分庁等の利害関係人が清算人宛てに文書を送付する場合、登記簿に記載された代表者住所宛てに文書を送付するため、当該文書が専門職清算人の自宅に送付されることとなり、文書の受領や確認が遅延する事態が生ずることが懸念されるほか、守秘義務の無い清算人の同居家族が文書を開披することで、関係者のプライバシーの侵害につながりかねない事態が生ずることも想定される。
また、裁判所が清算人を選任する案件については、会社関係者や会社債権者等の紛争性の強い事案が多いところ、専門職清算人個人の住所を開示した場合には、当該清算人等の私生活上の領域に関係者が働きかけることにより、専門職清算人が公平、中立に職務を遂行することが妨げられる虞が無いとはいえない。

5 そこで、我々は、裁判所が選任した専門職清算人の住所を登記するにあたっては、選任決定書に記載された事務所所在地を住所として登記することを要請するとともに、印鑑の提出の際に添付すべき印鑑証明書として、裁判所書記官作成の印鑑証明書の利用を認めることを求め、かかる取扱いを実施するために、商業登記規則等の法令の改正を要する場合には、所要の改正をされるよう上申されることを要請する。

以 上


裁判所が選任した清算人の「住所」登記問題に関する要望書(PDF)

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